Ⅱ型キッチンとは?|動線と収納に強い、使いやすいキッチンレイアウトの考え方

キッチンレイアウト

「キッチンはできるだけ使いやすくしたい」
「料理をする場所と収納を近くしたい」
「夫婦や家族2人でキッチンに立つことが多い」
「アイランドキッチンほど大きなスペースは使いたくない」

そんな方に、一度検討してほしいのがⅡ型キッチンです。

Ⅱ型キッチンとは、キッチンを2列に分けて配置するレイアウトです。

例えば、

シンク側 + コンロ側

というように、2つのカウンターを向かい合わせに配置します。

一般的なI型キッチンと比べると、シンク・コンロ・冷蔵庫・収納などを自由に分けて配置できるため、非常に効率的なキッチンをつくりやすいレイアウトです。

一方で、2列の間隔や、それぞれのカウンターの役割をしっかり考えないと、

「思ったより使いにくい」
「2人で立つと狭い」
「収納は多いけれど、取り出しにくい」

といったことも起こります。

Ⅱ型キッチンは、

レイアウトを決めることよりも、2列をどう使い分けるかを考えることが重要

です。

この記事では、住宅施工管理4年、オーダーキッチン営業15年の経験から、Ⅱ型キッチンのメリット・デメリットと、実際に計画するときに考えておきたいポイントを整理します。


1.Ⅱ型キッチンとは?

Ⅱ型キッチンは、キッチンを2列に分けて配置するレイアウトです。

代表的なのは、

シンク・調理スペース

と

コンロ・収納

を向かい合わせに配置する方法です。

上から見ると、

シンク側

 ↓

作業通路

 ↓

コンロ側

という構成になります。

2つのカウンターが並ぶため、「Ⅱ型キッチン」「2列型キッチン」「デュエキッチン」などと呼ばれています。

※上記は画像生成で製作したイメージです。

Ⅱ型キッチンの大きな特徴は、

「キッチンの機能を2つの場所に分けられる」

ことです。

例えば、

シンク側

  • シンク
  • 食洗機
  • 下ごしらえスペース
  • ゴミ箱

コンロ側

  • コンロ
  • 調理スペース
  • 鍋・フライパン収納
  • 調味料収納
  • 配膳スペース

というように、役割を分けることができます。


2.Ⅱ型キッチンが人気になっている理由

Ⅱ型キッチンの魅力は、単純に「オシャレだから」ではありません。

特に下記①と②が大きな採用ポイントになります。

①料理の動線を短くできること
②それぞれの作業スペースが確保出来ること

他の魅力も合わせて、まとめていきます。


3.Ⅱ型キッチンの5つの魅力

① 作業動線が短い

Ⅱ型キッチン最大のメリットです。

シンクとコンロを向かい合わせにすると、

洗う → 切る → 加熱する

という作業を効率よく行えます。

I型キッチンのように横方向へ長く移動する必要がないため、キッチンの横幅を必要以上に大きくしなくても、十分な作業スペースを確保できます。

料理をする頻度が高い方ほど、このメリットを感じやすいでしょう。


② 作業スペースを広く確保できる

Ⅱ型キッチンでは、2列それぞれにカウンターがあります。

そのため、I型キッチンよりも、「作業する場所」を確保しやすくなります。

例えば、

シンク側では、

  • 野菜を洗う
  • 食材を切る
  • 下ごしらえをする

コンロ側では、

  • 鍋を置く
  • フライパンを使う
  • 料理を盛り付ける

というように役割を分けることができます。

料理をたくさんする方にとっては大きなメリットです。


③ 収納を分散できる

Ⅱ型キッチンでは、2列のキャビネットを収納として使えます。

例えば、

■シンク側

  • 食器
  • カトラリー
  • ゴミ袋
  • 洗剤
  • 食洗機関連用品
  • ザル/ボウル

■コンロ側

  • 鍋
  • フライパン
  • 調味料
  • 調理器具
  • 食品ストック

というように、収納するものを分けることができます。

「収納量が多い」というだけではなく、

使う場所の近くに収納できる

ことがⅡ型キッチンの良さです。


④ 2人で料理しやすい

Ⅱ型キッチンは、2人以上で料理をする家庭とも相性が良いレイアウトです。

例えば、

Aさんがシンク側で野菜を切る。

Bさんがコンロ側で加熱調理をする。

という使い方ができます。

I型キッチンでは、横並びになるため、

「ちょっと邪魔」

「後ろを通れない」

ということがあります。

Ⅱ型なら、作業場所を分けることができます。

ただし、これは通路幅を適切に計画することが前提です。

Ⅱ型でも通路幅が狭ければ、1人調理時は動きやすいですが、2人調理時には少し窮屈に感じてしまう場合もあります。


⑤ コンパクトな空間でも計画しやすい

Ⅱ型キッチンは、キッチンを横方向に長くする必要がありません。

そのため、

「幅は限られているけれど、料理スペースはしっかり確保したい」

という住宅でも検討しやすいレイアウトです。

特に、キッチンの長さを抑えながら収納量や作業スペースを確保したい場合には、有力な選択肢になります。

また、キッチン自体がコンパクトに計画出来る為、ダイニングテーブルを横に置いたり、サイズを大きくしたり、パントリーを併設するレイアウト検討など、キッチン以外の検討も広く対応が出来ます。


4.Ⅱ型キッチンのデメリット

もちろん、Ⅱ型キッチンにも注意点があります。

特に重要なのが、

「振り返る動作が増える」
「コンロとシンクの行き来で通路が汚れる(濡れる)可能性がある」

ことです。


① 振り返る動作が増える

Ⅱ型キッチンでは、シンクとコンロが別のカウンターになります。

そのため、

シンクで作業

↓

振り返る

↓

コンロで作業

という動きが発生します。

一見すると小さな動作ですが、料理中は何度も繰り返します。

そのため、

「2列に分けることが本当に自分に合っているか」

を考える必要があります。

例えば、小さいお子様がいる家庭では、アイランドの場合は常にダイ二ングやリビングを見渡せる環境になりますが、Ⅱ型だとどちらか片方(多いのはコンロ側)は壁に接する形になるので、LDKの計画次第ですが、調理中にダイニング・リビングに目を配りにくくなります。


② 通路幅が重要

Ⅱ型キッチンで最も重要な寸法の一つが、2列の間の通路幅です。

狭すぎると、

  • 2人で使いにくい
  • 引き出しが開けにくい
  • 食洗機を開けると通れない
  • 背面収納とぶつかる

といった問題が起こります。

逆に広すぎると、

シンクからコンロまでの移動距離が長くなり、作業効率が悪くなる場合がる。

という問題があります。

つまり、

狭すぎてもダメ、広すぎてもダメ。

Ⅱ型キッチンでは、家族構成や使い方に合わせて通路幅を決めることが非常に重要です。


③ 下ごしらえ済みの食材を運ぶ距離が発生する

Ⅱ型キッチンでは、

シンクとコンロが別のカウンター

になるため、食材や鍋などを天板上ではなく通路上を移動させる場面が必ずあります。

特に、

シンクで下ごしらえ

↓

コンロへ移動

という作業では、水を使用した場合は塗れた食材が通路を横切ることになり、通路に水が落ちる可能性があります。

そのため、

何をシンク側に置き、何をコンロ側に置くのか
食材を移動させるのか、調理器具を移動させるのか、受ける器を用意するのか

を最初に決めることが重要です。


④ キッチンが2つに分かれて見える

Ⅱ型キッチンは、I型やアイランド型と比べて、キッチンが分散して見えることがあります。

特に素材や色を別々にすると、

「2つの家具を置いている」

ような印象になることがあります。

逆に言えば、

素材・色・高さを揃えることで、
非常に美しい一体感をつくることができます。

ここはオーダーキッチンとの相性が良いポイントです。


5.Ⅱ型キッチンは「何をどちら側に置くか」が重要

Ⅱ型キッチンを計画するとき、

「シンクをどこにする?」

「コンロをどこにする?」

だけで考えると不十分です。

重要なのは、

それぞれの列にどんな役割を持たせるか

です。

例えば、

シンク側

  • シンク
  • 食洗機
  • ゴミ箱
  • 食器収納
  • 下ごしらえスペース

コンロ側

  • コンロ
  • 調理スペース
  • 鍋・フライパン収納
  • 調味料
  • 調理家電

という分け方があります。

このように、

「洗う・片付ける」

と

「調理する」

を分けると、非常に分かりやすくなります。


6.冷蔵庫はどこに置く?

Ⅱ型キッチンでは、冷蔵庫の位置も重要です。

冷蔵庫は料理をする人だけが使うわけではありません。

家族が、

「飲み物を取りたい」
「お菓子を取りたい」
「牛乳を取りたい」

という場合にも使います。

そのため、

キッチン作業の動線と、家族の冷蔵庫への動線を分ける

ことを考えると、使いやすいキッチンになります。

例えば、冷蔵庫をキッチンの入口側に配置すると、料理中でも家族がキッチン奥まで入らずに利用できます。

これは実際のプランニングでは非常に重要なポイントです。


7.Ⅱ型キッチンとアイランドキッチンの違い

どちらも人気のレイアウトですが、特徴は異なります。

比較項目Ⅱ型キッチンアイランドキッチン
作業効率◎◎
作業スペース◎○
収納量◎○
省スペース性◎△
2人での作業◎○
開放感○◎
デザイン性◎◎
食材の移動○◎
計画の自由度◎○

アイランドキッチンは、

「キッチンそのものをLDKの中心にしたい」

という方に向いています。

一方、Ⅱ型キッチンは、

「料理のしやすさや収納を重視したい」

という方に向いています。


8.Ⅱ型キッチンとI型キッチンの違い

I型キッチンは、シンク・コンロ・調理スペースが横一列に並びます。

シンプルで使いやすく、多くの住宅で採用されています。

一方、Ⅱ型では、シンクとコンロを分けることで、作業スペースと収納を増やすことができます。

料理に集中したい方ならI型。
料理を頻繁にする方ならⅡ型。

という単純な話ではありません。

重要なのは、「自分がキッチンの中でどのように動くか」です。


9.Ⅱ型キッチンに向いている人

次のような方には、Ⅱ型キッチンがおすすめです。

□ 料理をする時間が長い

□ 調理スペースを広く取りたい

□ キッチン用品が多い

□ 収納量を確保したい

□ 夫婦や家族で料理することが多い

□ キッチンを横方向に長くしたくない

□ 効率的な作業動線を重視したい

□ オーダーキッチンで自分の使い方に合わせたい

□ 加熱機の臭いや汚れがきになる

特に、

「料理をすること自体が好き」

という方とは非常に相性の良いレイアウトです。


10.Ⅱ型キッチンに向いていない人

反対に、

□ キッチン内をできるだけシンプルにしたい

□ 振り返る動作が面倒

□ キッチンを一方向だけで使いたい

□ 食材などのシンク~コンロ間移動で通路が汚れるのが気になる

という方は、I型やペニンシュラ型など、他のレイアウトの方が合う可能性があります。



11.Ⅱ型キッチンは「収納」と「動線」をセットで考える

Ⅱ型キッチンは収納量を増やしやすいレイアウトです。

しかし、収納が多い=使いやすいではありません。

例えば、

鍋をコンロから遠い場所に収納すると、料理のたびに移動が増えます。

食器をシンクから遠い場所に収納すると、食洗機から片付けるときに不便になります。

だからこそ、収納するものを「使用場所」で決めることが重要です。


12.オーダーキッチンなら、Ⅱ型のメリットをさらに活かせる

Ⅱ型キッチンは、オーダーキッチンとの相性が非常に良いレイアウトです。

なぜなら、2列それぞれの役割を自由に設定できるからです。

例えば、

■シンク側

シンク+食洗機+ゴミ箱+食器収納

■コンロ側

コンロ+調理スペース+鍋収納+調味料

という構成。

さらに、

  • カウンターの高さを変える
  • 天板素材を変える
  • 背面収納(カップボード)を一体化する
  • 家電収納を組み込む
  • ゴミ箱をキャビネット内に納める
  • 冷蔵庫の位置を調整する
  • ダイニングテーブルと素材を揃える

といったこともできます。

Ⅱ型キッチンは、

「2つのキッチンをつくる」

というより、

「1つのキッチンを2つの役割に分ける」

と考えると、プランニングしやすくなります。


13.まとめ|Ⅱ型キッチンは「料理を楽しむ人」に向いている

Ⅱ型キッチンの最大の魅力は、

動線と作業性の良さ

です。

シンクとコンロを2列に分けることで、

  • 作業スペースを増やせる
  • 収納を増やせる
  • 動線を短くできる
  • 2人で作業しやすい

といったメリットがあります。

一方で、

  • 通路幅
  • 振り返る動作
  • 冷蔵庫の位置
  • ゴミ箱の位置
  • 食洗機の位置
  • 収納場所

などをしっかり考える必要があります。

Ⅱ型キッチンは、

「キッチンの形を選ぶ」

というより、

「自分の料理の仕方に合わせて、キッチンを分解して考える」

レイアウトだと思います。


キッチンデザイン研究所の考え方

キッチンは、見た目だけでも、機能だけでも決まりません。

レイアウト × 収納 × 機器 × 素材 × 暮らし方

このすべてを組み合わせて考える必要があります。

Ⅱ型キッチンは、その中でも特に、

「どう動くか」

を考えることが重要なキッチンです。

シンクからコンロまで何歩なのか。

冷蔵庫までどのくらいなのか。

食洗機を開けたら通路はどうなるのか。

ゴミ箱はどこなのか。

2人で立ったらどうなるのか。

こうした細かな部分まで考えて初めて、「使いやすいⅡ型キッチン」になります。

住宅施工管理4年、オーダーキッチン営業15年の経験から、キッチンデザイン研究所では、カタログだけでは分からない「実際に使う側の視点」でキッチンについて考えていきます。

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