|毎日の使いやすさを左右する設備を考える
KITCHEN EQUIPMENT
キッチン機器は、スペックだけで選ばない。
食洗機、IH、ガスコンロ、水栓、レンジフード。
キッチンには、さまざまな機器が組み込まれています。
カタログを見ると、容量や性能、機能の違いが細かく書かれていて、どの商品を選べばよいのか迷ってしまうこともあります。
もちろん、性能や機能は大切です。
しかし、キッチンデザイン研究所では、キッチン機器を選ぶときにもう一つ大切にしたいことがあります。
それは、
「その機器が、自分の暮らしに本当に必要なのか?」
という視点です。
高性能な機器を選べば、必ずしも使いやすいキッチンになるわけではありません。
料理をする頻度、家族構成、家事の分担、収納量、キッチンのサイズ、そして毎日の使い方。
それぞれを考えたうえで、自分に合った機器を選ぶことが大切です。
このページでは、キッチンデザイン研究所が、オーダーキッチンの現場で考えてきた視点から、キッチン機器の選び方を整理していきます。
01|食洗機
「食器を洗う時間」をどう考えるか。
食洗機は、キッチン機器の中でも特に暮らし方が変わりやすい設備の一つです。
食器を入れて、洗浄して、乾燥する。
単純な機能に見えますが、実際には、
「食器洗いという家事をどこまで減らしたいか」
という問題でもあります。
選ぶときには、
- 容量
- 食器の入れやすさ
- 洗浄性能
- 乾燥方式
- 運転時間
- 節水性
- フロントオープンか引き出しか
- 鍋やフライパンを入れられるか
- 洗剤の種類
- メンテナンス性
などを確認します。
特に海外製食洗機と国内製食洗機では、容量や扉の開き方、食器の入れ方などに大きな違いがあります。
「何人家族だから何L」という考え方だけではなく、
「普段どんな食器を、どれくらい使うのか」
から考えることが重要です。
食洗機を選ぶポイント
容量だけでなく、実際に使う食器が入るか。
鍋やフライパンまで一緒に洗いたいか。
食器を入れる作業自体がストレスにならないか。
この3点は、特に確認しておきたいポイントです。
→ 食洗機の選び方・比較記事を見る
02|IHクッキングヒーター
「火力」だけでIHを選ばない。
IHを選ぶとき、まず気になるのが火力や口数です。
しかし、実際の使い勝手を考えるなら、
「どの鍋を使うのか」
「どのような料理をするのか」
というところまで考えておきたいところです。
例えば、
- 毎日料理をする
- 同時に複数の鍋を使う
- 大きなフライパンを使う
- 揚げ物をする
- 土鍋を使う
- オーブン料理が多い
など、料理のスタイルによって必要な機能は変わります。
また、IHは天板がフラットなので、ガスコンロと比べて掃除がしやすいというメリットがあります。
一方で、鍋を振るような調理や、直火ならではの調理を好む人にはガスコンロの方が合う場合もあります。
大切なのは、
「IHとガスのどちらが優れているか」ではなく、「自分の料理にはどちらが合っているか」。
ということです。
→ IH・ガスコンロの比較記事を見る
03|ガスコンロ
料理を「楽しむ」なら、ガスという選択肢。
ガスコンロには、IHにはない魅力があります。
直火による調理感覚。
鍋を振る。
炎を見ながら火力を調整する。
料理そのものを楽しみたい人にとっては、ガスコンロが大きな意味を持つことがあります。
一方で、
- 掃除のしやすさ
- 安全性
- フラットな天板
- タイマー機能
- 火力管理
などを重視する場合には、IHが適していることもあります。
「IHの方が新しいから」
「ガスの方が料理上手に見えるから」
という理由だけで決めるのではなく、
自分がキッチンで何をしたいのか
から選ぶことをおすすめします。
04|水栓
毎日何度も使うからこそ、水栓は重要。
水栓は、キッチンの中でも使用頻度が非常に高い設備です。
手を洗う。
食材を洗う。
鍋に水を入れる。
食器をすすぐ。
シンクを掃除する。
一日に何度も使うからこそ、小さな違いが毎日の使いやすさにつながります。
選ぶときには、
- ストレート・シャワー切替
- 引き出しホース
- センサー機能
- 浄水機能
- 吐水位置
- 操作方法
- 水はね
- デザイン
- メンテナンス性
などを確認します。
特に注意したいのが、
「水栓単体ではなく、シンクとの組み合わせで考える」
ことです。
水栓の高さや吐水位置によっては、シンクの奥まで水が届きにくかったり、水はねが気になったりすることがあります。
デザインだけで決めず、実際の使い方を想像して選びたい設備です。
→ キッチン水栓の選び方・比較記事を見る
05|レンジフード
「掃除のしやすさ」だけでなく、換気まで考える。
レンジフードは、キッチンの中でもデザインと機能の両方が求められる設備です。
特にアイランドキッチンやペニンシュラキッチンでは、レンジフードがリビング側から見えるため、デザインも重要になります。
一方で、最も大切なのは、
「きちんと換気できること」
です。
選ぶ際には、
- 換気能力
- お手入れのしやすさ
- フィルター
- ファンの構造
- 運転音
- 自動洗浄機能
- コンロとの組み合わせ
- 同時給排気の必要性
- キッチン全体とのデザイン
などを確認します。
特に高気密住宅では、換気扇を回したときの室内の圧力差についても考える必要があります。
レンジフードは、
「見た目」+「掃除」+「換気」
の3つをバランスよく考えたい設備です。
→ レンジフードの選び方を見る
06|オーブン・電子レンジ
「どこに置くか」まで考えて選ぶ。
オーブンや電子レンジは、機器そのものだけでなく、設置場所が重要です。
例えば、
- 冷蔵庫から取り出す
- 電子レンジで温める
- 配膳する
という動線が近ければ、日常の使いやすさは大きく変わります。
また、電子レンジを収納内部に設置する場合には、
- 放熱
- コンセント
- 扉の開閉
- 操作高さ
- 奥行
- メンテナンス
なども確認する必要があります。
家電は「買ってから置く」のではなく、
「キッチンを設計するときに、家電の場所も一緒に決める」
という考え方がおすすめです。
→ キッチン家電の収納について見る
07|冷蔵庫
冷蔵庫は「キッチンの外」にいる機器でもある。
キッチン計画では、シンクやコンロに目が行きがちですが、冷蔵庫の位置も非常に重要です。
冷蔵庫は、
料理をする人だけが使うものではありません。
家族が飲み物を取りに来たり、食材を取り出したりします。
そのため、
- キッチンの奥に置くのか
- キッチン入口に置くのか
- ダイニングから近づきやすくするのか
- 扉を開いたときに通路を塞がないか
- 冷蔵庫の扉方向は適切か
などを考える必要があります。
冷蔵庫は「収納する家電」ではなく、
家族全員が使う設備
として考えると、配置の考え方が変わってきます。
08|キッチン機器は「単体」で選ばない
ここがキッチンデザイン研究所で特に伝えたいポイントです。
食洗機。
IH。
水栓。
レンジフード。
オーブン。
冷蔵庫。
それぞれに優れた商品があります。
しかし、
「良い商品を集めれば、良いキッチンになる」
わけではありません。
例えば、
高性能な食洗機を入れても、食器を入れる動線が悪ければ使いにくい。
大きな冷蔵庫を入れても、扉を開くと通路が狭くなる。
高機能な水栓を選んでも、シンクとの位置関係が悪ければ使いにくい。
大容量のオーブンを入れても、調理台から遠ければ使いづらい。
つまり、
キッチン機器は「何を選ぶか」だけではなく、「どこに配置するか」まで含めて考える必要があります。
09|キッチン機器を選ぶ5つの基準
迷ったときは、次の5つから考えてみてください。
① 使用頻度
毎日使うのか、週に数回なのか。
② 調理スタイル
簡単な料理が中心なのか、本格的に料理をするのか。
③ 家族構成
一人暮らしなのか、家族で使うのか。
④ キッチンのサイズ
機器を入れることで、作業スペースが狭くならないか。
⑤ 将来の使い方
家族構成や生活スタイルが変わったときにも使いやすいか。
この5つを考えるだけでも、単純な「人気ランキング」とは違った選び方ができるようになります。
10|高い機器=良い機器、ではない
キッチン機器には、価格の高い商品もたくさんあります。
高価格の商品には、それだけの理由があります。
しかし、
「高いから自分に合う」
とは限りません。
例えば、ほとんど料理をしない人に、非常に高性能なコンロが必要でしょうか。
食器をほとんど使わない家庭に、大容量の食洗機が必要でしょうか。
逆に、毎日料理をして家族分の食器を洗う家庭なら、多少価格が上がっても大容量の食洗機が家事負担を大きく減らしてくれるかもしれません。
だからこそ、
価格ではなく、「その機器によって何が変わるのか」を考える。
これがキッチン機器選びでは重要です。
11|キッチン機器選び CHECK LIST
キッチンを計画するときは、ぜひこの項目を確認してください。
□ 食洗機は必要?
□ 食洗機はどのくらいの容量が必要?
□ IHとガス、どちらが料理スタイルに合っている?
□ コンロは何口必要?
□ 水栓に浄水機能は必要?
□ センサー水栓は必要?
□ レンジフードの掃除はしやすい?
□ 同時給排気は必要?
□ 電子レンジやオーブンの場所は決まっている?
□ 冷蔵庫はどこに置く?
□ 家電のコンセントは足りている?
□ ゴミ箱の位置は決まっている?
□ 機器を入れた結果、作業スペースが狭くなっていない?
12|キッチン機器は「暮らしを楽にするための道具」
キッチン機器は、キッチンを豪華にするためだけのものではありません。
料理を楽にする。
片付けを楽にする。
掃除を楽にする。
家族との時間を増やす。
家事の負担を減らす。
そう考えると、キッチン機器の選び方も少し変わってきます。
大切なのは、
「最新機能があるか」ではなく、
「自分の暮らしをどう変えてくれるか」。
キッチンデザイン研究所では、スペックや価格だけでは分からない部分にも目を向けながら、実際のキッチンで使うことを想像して、キッチン機器を比較・研究していきます。
KITCHEN DESIGN LABORATORY
知ってから選ぶ。
キッチン機器は、一度設置すると簡単には交換できないものもあります。
だからこそ、ショールームで見た印象だけで決めるのではなく、
「自分のキッチンに入れたら、どう使うのか?」
まで考えてみてください。
食洗機なら、どんな食器を入れるのか。
IHなら、どんな料理をするのか。
水栓なら、どこでどんな作業をするのか。
レンジフードなら、どのくらい料理をするのか。
冷蔵庫なら、家族がどこからアクセスするのか。
一つひとつを考えていくことで、キッチンは単なる設備の集合ではなく、自分の暮らしに合わせた道具になっていきます。