キッチンを選ぶとき、
「おしゃれなキッチンにしたい」
「収納をたくさん取りたい」
「海外製の食洗機を入れたい」
「自分の家にぴったり合うキッチンにしたい」
そう考えたときに、一つの選択肢になるのがオーダーキッチンです。
オーダーキッチンというと、
「高そう」
「こだわりが強い人向け」
「決めるのが大変そう」
というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、オーダーキッチンの本当の価値は、単純に「好きなデザインにできること」ではありません。
大切なのは、
自分の暮らし方に合わせて、キッチンそのものを考えられること。
だと思います。
キッチンは、毎日使う家具であり、設備でもあります。
だからこそ、見た目だけではなく、
レイアウト・収納・機器・素材・高さ・動線・家電・ゴミ箱まで
一つひとつを自分の使い方に合わせて考えることができます。
この記事では、住宅施工管理4年、オーダーキッチン営業15年の経験から、オーダーキッチンだからこそできることを、実際のキッチンづくりの視点から考えてみます。
1.オーダーキッチンは「好きな形にする」だけではない
オーダーキッチンというと、
「サイズを自由にできる」
ということが最初に思い浮かぶかもしれません。
もちろん、これは大きなメリットです。
しかし、それだけではありません。
オーダーキッチンでは、
「自分の生活に合わせてキッチンを設計する」
ことができます。
例えば、
料理をたくさんする人。
料理はあまりしないけれど、キッチンはきれいに見せたい人。
家族と一緒に料理をする人。
食器をたくさん持っている人。
家電が多い人。
ゴミを分別している人。
ホームパーティーをする人。
こうした暮らし方によって、理想のキッチンは変わります。
つまり、
「良いキッチン」が一つあるのではなく、「その人に合ったキッチン」がある。
これが、オーダーキッチンを考える上で最も大切なことだと思います。
2.サイズを家に合わせられる
オーダーキッチンの基本的なメリットが、サイズを調整できることです。
例えば、
「キッチンをあと100mmだけ長くしたい」
「壁いっぱいまで収納を取りたい」
「柱を避けてキッチンをつくりたい」
「窓の位置に合わせたい」
「梁や下がり壁に合わせたい」
といった、住宅ごとの条件に対応しやすくなります。
既製サイズでは、
「少しだけ余ってしまう」
「ここに収納が入らない」
「あと少しだけ広ければいいのに」
ということがあります。
オーダーキッチンでは、住宅の寸法に合わせてキッチン全体を考えられるため、空間を無駄なく使いやすくなります。
3.自分に合ったレイアウトを選べる
キッチンには、
- I型
- L型
- Ⅱ型
- ペニンシュラ型
- アイランド型
など、さまざまなレイアウトがあります。
重要なのは、
「どの形が一番おしゃれか」
ではありません。
自分が、
「どのように料理するのか」
「家族がどのように使うのか」
「リビングからどう見えるのか」
を考えてレイアウトを決めることです。
例えば、料理をする人と片付けをする人が同時にキッチンを使う家庭なら、Ⅱ型キッチンが合うかもしれません。
キッチンを家族とのコミュニケーションの場所にしたいなら、アイランド型やペニンシュラ型が合うかもしれません。
壁面を有効活用したいなら、壁付け型も選択肢になります。
オーダーキッチンでは、
「自分の暮らしにキッチンの形を合わせる」
という考え方ができます。
4.天板の高さを自分に合わせられる
意外と重要なのが、キッチンの高さです。
キッチンの高さは、毎日の使いやすさに大きく影響します。
身長が高い人にとっては低いキッチンは腰への負担になりやすく、反対に身長が低い人にとっては高すぎるキッチンが使いにくく感じることがあります。
さらに、
「シンクは少し高めがいい」
「コンロは鍋を扱うので少し低めがいい」
など、使い方によって求める高さが変わることもあります。
オーダーキッチンでは、住宅や使用する人に合わせて高さを検討できます。
毎日使うものだからこそ、
数センチの違いが使いやすさを変える
ことがあります。
5.収納するものに合わせて収納をつくれる
キッチンの収納は、
「たくさん入れば良い」
というものではありません。
大切なのは、
「何を、どこに収納するか」
です。
例えば、
- 鍋
- フライパン
- 食器
- カトラリー
- 調味料
- 食品ストック
- ラップ
- ゴミ袋
- キッチンペーパー
- まな板
- 包丁
など、キッチンには非常に多くのものがあります。
さらに、
- 電子レンジ
- 炊飯器
- トースター
- コーヒーメーカー
- ミキサー
- 電気ケトル
などの家電もあります。
オーダーキッチンでは、
「収納するものを決めてから収納を考える」
という設計ができます。
これは非常に大きなメリットです。
6.ゴミ箱までキッチンの一部として考えられる
キッチンを考えるとき、意外と後回しにされるのがゴミ箱です。
しかし、実際には毎日のように使います。
可燃ゴミ。
プラスチック。
缶、びん、ペットボトル。
生ゴミ。
家庭によって分別方法も違います。
だからこそ、
ゴミ箱をどこに置くのか
はキッチン計画の重要なポイントです。
オーダーキッチンなら、ゴミ箱用のスペースをキャビネットの中に組み込んだり、収納と一体化したりすることもできます。
「完成してからゴミ箱を置く場所を探す」のではなく、
最初からゴミ箱の場所まで設計する。
これだけでも、キッチンの使いやすさは大きく変わります。
7.好きな食洗機や調理機器を組み込める
オーダーキッチンでは、キッチン本体だけでなく、組み込む機器についても考えることができます。
例えば、
- 海外製食洗機
- 海外製IHクッキングヒーター
- 高火力ガスコンロ
- ビルトインオーブン、電子レンジ
- デザイン(カラー)水栓
- 機能重視浄水器
- 生ごみ処理機
- コーヒーマシン
- ウォーマー
などです。
特に海外製食洗機など、一般的なシステムキッチンでは選択肢が限られる場合でも、オーダーキッチンなら機器を前提にキッチンを設計できます。
ただし、
「好きな機器を入れれば良い」
わけではありません。
電気容量、給排水、換気、キャビネット寸法、メンテナンス性など、住宅側との調整も必要になります。
だからこそ、機器を先に決めてからキッチンを考えることも重要です。
8.素材を組み合わせられる
オーダーキッチンの魅力の一つが、素材選びです。
天板なら、
- 人造大理石
- クォーツ
- セラミック
- ステンレス
- 天然石
- その他の素材
など、さまざまな選択肢があります。
扉も、
- 無垢材
- 塗装
- メラミン
- 金属
- 框
など、空間に合わせて選ぶことができます。
例えば、
床はオーク、キッチンはグレー、天板は石目。
あるいは、
床・家具・キッチンを同じ木の雰囲気で統一する。
など、キッチン単体ではなく、LDK全体で素材を考えることができます。
9.キッチンと家具を一体で考えられる
キッチンだけを考えていると、
「キッチンは素敵だけれど、収納家具との雰囲気が合わない」
ということがあります。
オーダーキッチンでは、
キッチン+背面収納+カップボード+家電収納
などを一体的に考えることができます。
さらに、
- TVボード
- ダイニングテーブル
- パントリー収納
- リビング収納
などとの素材や色を合わせることもできます。
キッチンを「設備」ではなく、
LDKを構成する家具の一つ
として考えられるのも、オーダーキッチンの魅力です。
10.「見せる収納」と「隠す収納」を使い分けられる
収納は、全部隠せば良いわけでもありません。
お気に入りの食器やグラス、調理道具などは、
あえて見せる
ことでインテリアになります。
一方で、
- ゴミ袋
- 洗剤
- ラップ
- 食品ストック
- 掃除用品
などは、できるだけ見せたくないものです。
オーダーキッチンでは、
見せたいものと、隠したいものを分けて収納する
という考え方ができます。
「収納量」だけではなく、
収納の見え方
まで考えられることがポイントです。
11.家族の暮らし方に合わせられる
キッチンを使うのは料理をする人だけではありません。
家族が、
「冷蔵庫を使う」
「水を飲む」
「食器を取る」
「ゴミを捨てる」
「料理を手伝う」
など、さまざまな使い方をします。
そのため、
キッチンを使う人全員の動線
を考えることが重要です。
例えば、冷蔵庫をキッチンの奥に配置すると、料理中の人の前を家族が何度も通ることになるかもしれません。
逆に冷蔵庫を入口側に配置すれば、家族がキッチンの作業エリアに入らずに使える場合があります。
こうした細かな計画こそ、オーダーキッチンの面白さです。
12.「変わったキッチン」ではなく「自分に合ったキッチン」をつくる
ここまで読むと、
「オーダーキッチンなら何でもできる」
と思うかもしれません。
しかし、私は必ずしもそう考えていません。
大切なのは、
できることを増やすことではなく、必要なことを選ぶこと。
です。
例えば、収納を増やしすぎれば物が増えるかもしれません。
大きなキッチンにすれば、掃除する場所も増えます。
高価な機器を入れても、使わなければ意味がありません。
デザインにこだわりすぎて、使い勝手が悪くなってしまうこともあります。
だからこそ、
「何を実現したいのか」
を最初に考えることが重要です。
13.オーダーキッチンに向いている人
オーダーキッチンは、すべての人に必要というわけではありません。
例えば、
□ キッチンのサイズを細かく調整したい
□ 収納するものが多い
□ 特定の食洗機や調理機器を使いたい
□ キッチンの素材にこだわりたい
□ LDK全体のデザインを統一したい
□ 家族の使い方に合わせたい
□ 料理の仕方に合わせてレイアウトを考えたい
□ 「既製品では少し物足りない」と感じる
このような方は、オーダーキッチンを検討する価値があります。
14.オーダーキッチンで最初に決めるべきこと
オーダーキッチンを検討するとき、
いきなり「扉の色」や「天板の素材」から決める必要はありません。
むしろ最初に考えたいのは、
「このキッチンで誰が、どのように料理するのか?」
です。
例えば、
- 料理は毎日する?
- 何人で料理する?
- 食器は多い?
- 家電は多い?
- ゴミは何種類に分別する?
- 食洗機は必要?
- 冷蔵庫はどこに置く?
- パントリーは必要?
- キッチンをリビングから見せたい?
- キッチンを家具のように見せたい?
こうしたことを整理してから、
レイアウト → サイズ → 収納 → 機器 → 素材
と考えていくと、失敗しにくくなります。
また、オーダーキッチンだから。というわけではないですが、
しっかり対応される営業担当やショールームスタッフなど、自分の想いを形にしてくれ、またオーダーならではの提案も盛り込んだ提案をしてもらえているかどうか、も重要な判断基準になります。
15.まとめ|オーダーキッチンの価値は「自由」ではなく「最適化」
オーダーキッチンの魅力は、
「好きなものを何でも選べること」
だけではありません。
本当の価値は、
自分の暮らしに合わせて、キッチンを最適化できること
だと思います。
サイズ。
レイアウト。
収納。
ゴミ箱。
食洗機。
IH・ガスコンロ。
水栓。
天板。
扉。
家電。
背面収納。
そして、家族の動線。
これらを一つひとつ組み合わせていくことで、
「自分にとって使いやすいキッチン」
をつくることができます。
キッチンは、毎日使うものです。
だからこそ、「なんとなくおしゃれ」ではなく、
「なぜ、この形なのか」
「なぜ、この収納なのか」
「なぜ、この機器なのか」
まで考えて選んでみてください。
その先にあるのが、オーダーキッチンの本当の面白さだと思います。
キッチンデザイン研究所の考え方
キッチンは、見た目だけでも、機能だけでも決まりません。
レイアウト × 素材 × 収納 × 機器 × 家電 × 暮らし方
すべてを合わせて考える必要があります。
オーダーキッチンだからこそできるのは、「豪華なキッチンをつくること」ではありません。
自分の暮らしに必要なものだけを組み合わせること。
キッチンデザイン研究所では、住宅施工管理4年、オーダーキッチン営業15年の経験から、カタログやショールームだけでは分からない、実際の暮らしや使い勝手まで考えながら、キッチン選びについて発信していきます。

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